


お久しぶりです。
祐天寺の装テン(装飾テント)を鑑賞してはや1年。
前回、写真点数が多くなってしまって
泣く泣く割愛したすてきな装テンたちを、
やっとご紹介できる日が来ました。
よかったね、テントたち。


まずはこちら。
1年前に解説した装テンの見方を憶えているだろうか。
これは「立体タイプ」の「カーブ」。
全体的に安定感のあるフォルム、
そして染織工芸店らしい落ち着いた紺色。
これだけだと少し重くなりがちだが、
ラウンド型のタレが印象を和らげている。
実にいいバランスだ。

こちらも立体タイプのカーブだが、
注目すべきは「底あり」であること。
底ありは、私の経験では
300テンに1テン(※)ほどしか見られない、
わりと珍しい装テンである。
几帳面で堅実な印象を与える効果がある。
※装テンの数え方は1テン、2テン

これは渋い。
下部の剥き出しになった骨をご覧いただきたい。
実寸で20センチほどだろうか。
あえてテント丈を短めにまとめ、骨を見せているのだ。
これは実に粋で、かっこいい装テンだと思う。

立体タイプのストレート、タレ付き。
ときどき見られる「はっきりしないタレ」のパターンだ。
もとはラウンド型だったのだろうが、
年月の経過とともにふにゃふにゃになっている。
しかしそれがかわいい。
また、サイドに開けられた
四角い切り込みもいいアクセントになっている。

平面タイプ、ストレート、タレ付き。
かつては鮮やかだったであろうグリーンのストライプに、
いい具合にくすみが入っている。
人間と同じように「歳をとる」のも、装テンのいいところだ。

立体タイプ、ストレート、タレ付き。
タレ部分の色を変え、そこに文字というパターン。
紅白はやはり華やかで堂々とした印象を与える。
若干、歳を感じるが、それも貫禄のうちだ。

八百屋さんの装テン。
一応、立体タイプと言っていいだろう。
このようなお店にはよく見られるパターンだが、
地面まで深く垂れ下がったサイドシートが特徴的だ。
商品を直射日光から守るためである。
そしてよく見ると・・・

この付け足し。
「つなぎ」がある場合、どんなつなぎ方をしているのかを
観察するのも、装テンの楽しみ方の一つだ。
ぴったり隙間なく縫い合わされているものもある。

最後にこちらをご覧いただいて終わろう。
右側にコインランドリー、
左側には骨だけの装テン。
いや、「骨だけの装テン」という言い方は矛盾している。
矛盾しているのだが、そう言いたくなるのはなぜだろう。
3つ目の事例写真で見たように、装テンにおける骨は
単なる構造材ではなく、時としてデザイン要素にもなりえる。
だから概念としては「骨だけの装テン」があったっていい。
いつかここにお店が入れば、
また新たな装テンができるだろう。
その時、この骨は活かされるのだろうか。
それともまったく別の骨に替えられてしまうのだろうか。
そんなことを想像しながら観察するのも、また楽しい。


ライター、ピクティスト。

1972年生まれ。

2001年よりピクトさんの収集・研究を始める。

2003年、Web上に「日本ピクトさん学会」を設立。

2007年・2008年に「東京カルチャーカルチャー」にてスライドショーイベント「ピクトさんナイト」を開催。

ピクトさん学の普及に努めている。


