


------祐天寺の魅力はどんなところだと思いますか?
僕は生まれてからずっと祐天寺なので、
もう大体60年ぐらい住んでいる事になります。
今まで3回引っ越してもずっと祐天寺なのですが、
「祐天寺の魅力」って改めて聞かれると大変難しいんですよ…。
なぜなら、他の場所に住んだことがないですから(笑)
家を建て直す時にアパートを借りたのも中目黒で、
祐天寺の近辺だったので、大体このあたりから出ないんですよ。
------60年間全く祐天寺から出ようと思わなかったんですか?
そうですね。
だって、渋谷から電車に乗ってたった6、7分なのに、
こんなに閑静な住宅街で、なおかつお店は全部揃っているという
非常に便利な町ですから。
それに電車が無くなっても、
渋谷から1000円ちょっとでタクシーで帰ってこれる位置というのも
素晴らしいと思います。
あと、はっきり言ってここは「田舎」なんです。
古くから住んでる人がいて、噂話もあったりとか…。
噂話と言ったって、もうおばあさんになってても
未だに嫁に来た時の話を聞いたりとかですけど(笑)
歩いてても知らない人がいっぱい挨拶してくれて、
そういう程良い田舎のあったかさっていうのを町に感じます。
まあ、その反面怖いんですけどね。
いつどこで誰が見てるかわからないから(笑)
都心の近くにあって、なおかつ田舎の良さもある。
それが祐天寺です。
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きむらさんの絵本や構成したテレビ番組を見た子供たちに
伝えたい事はどんなことなんでしょうか?
基本的には、
「この世はイヤな事もいっぱいあるけど、
実は全部楽しい事だよ。楽しい事しかないよ。」
というのを伝えたいですね。
人間もおもしろいし、こんなにおもしろいところに
死ぬまでの一定期間いるわけですから、
自分からもっともっと楽しんでいく事が幸せになる秘訣、
みたいな事です。
人間を知っていくと、皆それぞれがドラマを持っていて、
皆それぞれが「正直」なんです。
人間って、言葉ではウソをついたり
ちょっとオーバーに言うこととかあると思いますけど、
その言葉の奥にあるものは「正直」なんです。
ウソをつくのも、オーバーに言うのも、
そこには、「自分を良く見せたい」っていう
正直な気持ちが働いていて、
そう言う意味では人間皆正直です。
例えば、いつもいちゃもんつけてくる
イヤなおじいさんがいたとしても、
その行動の奥にあるのは
「寂しいので少しでも会話を長引かせたかった」という場合もあるわけです。
そこが正直なんですよ。
ある側面だけ見るとイヤなヤツに思えても、
もう一歩踏み込んでみると正直で、
それがわかると「人間っておもしろいなっ」てなるわけです。
心の裏表や、良い事、悪い事もいろいろあるけど、
そういった山と谷があるから人生はドラマチックで面白いわけです。
谷がなければ山もないですから、
人生にはイヤな事も必要なんです。
ずっと良い事ばかりっていうのは、決して良い事ではないんです。
平地になってしまいますから。
絵本でも、山あり谷ありが出てくる事で始めてドラマになるので、
毎日パーティーやって、プレゼントもらってという良い事ばかりだったら、
何もお話はつくれません。
絵本の中には動物が出て来たりもしますが、
実際の内容は人間ドラマを書いているわけで、
「考え方次第で悪い事も良い方向に考えられるよ」
ということが根っこの部分に入っています。
そこで、
「なんだ。生きることや人間っておもしろいじゃん」
と思ってもらうのが目標です。
そう言う風に考えるという事が、
今の自分を肯定して、ストレスを無くすのではないかと思います。
人間って悪い風に考えてばかりでストレスを貯めると病気になるんですよ。
毎日楽しいと思っていると病気にもならないですし、
ますます良い方に行きます。
良い風に考えた者が勝ちということです。
そう思うことが、全てのカギだと考えています。
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例えば、僕が財布を落としたとします。
それはやっぱり谷にあたる出来事だと思うのですが…。
どのように肯定すれば良いのでしょうか?
また新しい財布を買えるじゃないですか!
今まで欲しかった財布がついに買えるチャンスですよ!
どの財布にしようか?と売り場に行って選べますし、
それにまたお金を貯める喜びが味わえます(笑)
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何事も前向きにとらえるということですね(笑)
そういったことを子供たちにも感じてほしいと。
そういうことですね。
例えばここに「あしたのねこ」という絵本があります。
この話に出てくるネコは、
段ボール箱に捨てられたところから始まって、
本当に不幸の連続です。
でも、どんなに不幸な状況になっても、
このネコは毎回必ず何かひとつ良いところを見つけます。
それでも、最後はとうとう何も良いところを
見つける事ができなくなってしまってくじけそうになるんですが、
そこでこのネコはだれかに見つけられるんです。
「こんなところにきたないネコがいるよ」って。
もうそれだけでこのネコは幸せになれるんです。
他の人にとっては当たり前のことかもしれませんが、
「自分の存在を誰かに知ってもらえただけでハッピーになれる」
っていう話です。
全ては気の持ち方ですよ。
第1回の記事では、きむらさんの語る祐天寺の魅力、
そして人生観をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
余談ではありますが、財布を落としたくだりは実話です…。
実際は財布ではなく、バイクのグローブを片方だけ落としてしまったのですが、
きむらさんのお話を聞いて、
落ち込むのではなく「夏用のグローブを買えるじゃないか!」と
思い直すことにしました。
そう!何事も前向きに!それが幸せの秘訣!
次回では、きむらさんがなぜ絵本の道を歩み始めたのかに迫ります!
第2回へとつづく

祐天寺歴60年のきむらさん。

笑顔で幸せの秘訣を語るきむらさん。

きむらさんが例として挙げた「あしたのねこ」。


